流行に終わらないフラットデザインのポリシー

フラットデザインって何?

最近のブームのはじまりはWindows8の「モダンUI(Metro UI)」あたりから。見た目の特徴としては、

  • 平面的:ドロップシャドウなどの3次元的な処理はしない
  • ミニマルな表現。グリッドや形状は正方形、長方形、正円などで構成され、角丸もグラデーションもほとんど使わない。
  • カラフルな色使い
  • タイポグラフィーを重視

ということ。ただし、見た目だけなら、似たデザインはありました。

Adobe CS3,4,5のアイコンとか。
cs-icons
WillcomのBaumのメニューとか。
baum-colors-menu
つまり、見た目だけの問題ではなく、現在の「ブームになっている」フラットデザインを理解するには、以下の文脈で理解する必要があります。

  • タッチデバイス(スマートフォンやタブレットなど)で操作されることを前提にデザインされている。
  • iOS 6までのデザイン、skeuomorphism(スキューアモーフィズム)に対するアンチテーゼとして、または、よりモダンで洗練されたデザインとして評価されている

新しい操作方法の習得段階ではメタファーは有効

skeuomorphismとは、アプリの外観に、現実のモノの見た目や質感を与えて「直感的に操作方法を想像させる」ことです。
例えば電子書籍リーダーに紙の質感やページめくりのエフェクトを与えたり、録音機能のあるアプリにマイクを表示したりする手法です。

マルチメディアの時代にもメタファーがあり、そして廃れた

昭和生まれの人ならご記憶かもしれませんが、かつて、「マルチメディア」というブームがありました。パソコンにCD-ROMドライブが搭載されたり、Quick Timeで動画が再生可能になったりしたあの頃、ソフトウェアのインターフェースには好んで「絵本」や「ブラウン管TV」などが使われたものです。2013年現在、それらは「Amazon」や「Kindle」や「YouTube」のようなインターフェースに置き換わっています。
黎明期のデザインには、オンラインショッピングという概念を伝える役割がありました。オンラインショッピングが普及した後には、町並みや店舗のイラストは役目を終えて退場した、という事です。

モノは廃れる。行為は手段が置き換わるが廃れない

2013年現在、生き残っているメタファーもいずれ消えてしまうかもしれません。既に世代的に分からなくなっているメタファーには「保存」を表すフロッピーディスクのイラストがあります。
save-icons
電話や受話器も、よく使われているイラストのような電話を見た事がない世代が増えているはずです。これらはピンとくるのでしょうか?
tel-icons
元の形から離れて、既に記号になっているものもあります。しかし、あまりテクノロジーに依存したものは避けた方が良いでしょう。

フラットデザインのポリシー

そうした流れを理解した上で、単なる流行に終わらないフラットデザインを考えてみました。

流行に終わらないフラットデザインのポリシー

UI(ユーザーインターフェイス)

ユーザーのデバイスへのリテラシーを信頼したデザインにする

  • 現実のモノのメタファーによる説明は不要。
  • 現実を引き写す為の疑似3D表現(グラデーションやドロップシャドウ)を排除(ボタンなどを含む)
  • UIラベルにはユーザーが操作可能な行為・目的をテキストでシンプルに提示
  • UIラベル内のアイコンは抑制して使う。
    • 特定のWebサービスやブランドを表す平面的なアイコンを使う
    • 独自のアイコンを使うなら、モノではなく行為・目的をフラットなイラスト作る。ピクトグラムもあり。

タイポグラフィー

デザインの手段として、タイポグラフィーを重視する。
デザインの目的は、目に止めてもらい、読んでもらい、気持ちを変化させ、行動してもらうことである。

文字のコントラストに注意を払う。

見出しはアイキャッチの為に。

続くリーダーには、その文章の内容を判断できる手がかりを書こう。

興味があれば、コントラストの中で弱い形で提示されている文章でも、ちゃんと読んでくれる。見出し→リーダー→本文、という順に、強から弱へ読み進むことで、読者を一歩ずつ文章の方へ近寄らせる効果もある。

文字の配置に注意を払う。

  • 視線の動きを設計する。Z型、F型、垂直、水平
  • パターンを繰り返してリズムを作る
  • 周囲の余白を設けて注目してもう

レイアウト

  • ViewPortに対して柔軟な設計にする。リキッド指定を使うことでブレイクポイントを最小限に抑えることが可能
  • 水平、垂直のグリッドを意識する
  • パターンの反復によるリズム感を出す
  • 形状としてフラットな正方形、正円は使い易い

カラー設計は大切だが、組み合わせ自体は流行に左右され易いことを前提に考える。流行に乗るか乗らないかは自由だが、把握はしておくこと。もちろん、流行色よりもコンセプトに沿った色を選ぶこと。

ベタ色で塗りつぶすことを恐れない

グラデーションは使わない。使ったとしてもごくわずかに

多色使いを恐れない。

彩度をあわせた多色を、同じ面積で並べるとリズム感が増して効果的。モノトーンなデザインと対比すると分かり易い。

モノトーン(単一色の濃淡・明暗)のサンプル

色の濃淡・明暗でリズムを作る。色が揃っているので、形状や面積を変えてもOK。

モノトーンは破綻が少ない

画面内の色味に統一感があるのでレイアウトは自由にくみ易い。

色味に統一感があるから、差し色が効果的に使える。

フラット&多色使いのサンプル

形状と面積を揃えて「フラット」にし、その反復でリズムを作る。形が揃っているので、色を変えてもOK。

多色使いでも形状や面積が揃っていれば破綻しない

レイアウトはグリッドに沿って作る。グリッドがしっかりしていれば、多色使いは可能。

iOS 7も発表され、更に様々なフラットデザインが展開されそうな昨今です。
デザイナーの皆さん、がんばりましょうー。

流行に終わらないフラットデザインのポリシー」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: html5で作るWPオリジナルテーマ:2 | パソコン倶楽部りんご

  2. ピンバック: 2013-6-21 勉強会 | パソコン倶楽部りんご

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